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FUTURE

王子グループの未来

THE ROLE OF PAPER

紙の役割は「情報伝達」から
「パッケージング」へ

長い歴史の中で、「紙」は「情報伝達」の手段として重要な役割を果たしてきました。
しかし、昨今の電子媒体の増加やペーパーレス化の影響で、「情報伝達」の手段としての「紙」の需要は縮小しています。
一方で、「紙」は「パッケージング」としての役割(モノを包む・運ぶ役割)も担っており、これからも成長する分野です。
以下グラフをご覧下さい。包装資材の実に6割以上が「紙」製品であり、パッケージング素材の主流です。

単位:千トンJPI包装産業出荷統計より抜粋

  • 「物流」あるところに
    「段ボール」あり

    人々が当たり前の生活を送るうえで、「物流」は必要不可欠なものです。パンデミックで人の動きが減っても、物流は無くなりませんでした。その「物流」を根底で支えているのが、実は「段ボール」なのです。パンデミック後の経済回復に伴い、日本国内のみならず世界各地で製造業が再開し、製品を運ぶための「段ボール」需要が増加しています。また、パンデミックの影響で巣ごもり需要が拡大し、通信販売用の段ボール需要も増加しています。まさに段ボール事業は今後大きく成長が見込める分野です。

  • プラスチック代替素材
    としての「紙」

    近年、環境意識の高まりから脱プラスチックの流れが加速し、プラスチックに代わる素材として、「紙」のパッケージが注目されています。「紙」は再生可能な木材を原料としており、また使用後も古紙回収という形でリサイクルが可能であるからです。従来プラスチックで包装されていた、例えばお菓子の外装などを対象に、「紙」素材に変えていく動きが加速しています。今後この「脱プラスチック」の流れは、世界全体でさらに拡大する見込みです。

    プロジェクトストーリーへ

  • 確かな技術と安定した品質で
    「紙」の需要に応え続けます

    情報伝達としての「紙」の需要は縮小傾向にありますが、無くなることはありません。それは、紙素材ならではの「特別感」があるからです。例えば、旅行先でパンフレットを「紙」でもらうと、思い出になり嬉しく感じると思います。また、自分が好きな漫画や本を「紙」でとっておき、部屋に置いておきたい方もいらっしゃると思います。王子グループは、このような「紙」ならではの特別感を重要視しながら、確かな技術と安定した品質で、「紙」を必要とする人々に王子グループの製品を届け続けられるような会社を目指しています。

ROLE OF MATERIAL MANUFACTURER

豊かな未来のため、
新たな素材への挑戦。

王子グループは紙・パルプ業界に属し、全産業のなかでも川上に位置する「素材メーカー」としての役割を果たしています。
王子グループが新素材を開発し、広く川下の多種多様な業界や消費者にお使いいただくことで、
世の中に新しい価値をもった製品を広めることができます。
王子グループの最大の強みは、「森林資源」をベースとしていることです。
環境にやさしく再生可能な「森林資源」をベースに環境配慮型素材・製品を開発することで、
持続可能な社会への貢献が求められるこれからの社会において、
気候変動問題や海洋プラスチックごみ問題などの社会的課題の解決をすることを目指しています。
今後は、新たな成長分野と位置付けている「医療領域への進出」を目指しています。

主なイノベーション:https://www.ojiholdings.co.jp/r_d/theme/

木質由来のバイオマスプラスチック

王子グループは、木材を原料としたバイオマスプラスチックの開発、製造を検討しています。バイオマスプラスチックは、石油資源を原料とする従来のプラスチックと異なり、大気中への化石燃料由来のCO2排出削減に大きく貢献できます。バイオマスプラスチックの原料となる糖は、従来、サトウキビやトウモロコシなどの可食性の原料から製造されていましたが、木材は非可食性であることから、食糧供給と競合する恐れもありません。
この事業は環境省の委託事業(※)に採択され、非可食である木質由来のパルプを原料とした糖液から、乳酸やエタノールを製造し、ポリ乳酸やポリエチレンの製造実証を進めています。
(※)令和元年度脱炭素社会を支えるプラスチックフィルムなど資源循環システム構築実証事業

CNF(セルロースナノファイバー)

CNF(Cellulose NanoFiber・セルロースナノファイバー)は、木質繊維(パルプ)をナノオーダー(1mmの百万分の一)まで微細化したものです。CNFは、従来からパルプの持つ耐熱性や生分解性といった特性に加え、透明で、軽くて丈夫、変形に強く、また、高い増粘性を有する、といった特性を発現し、多くの分野での活躍が期待できる新素材です。
王子グループのCNFは、増粘分散機能を活かした添加剤としての化粧品や塗料等への採用や、強度を活かした卓球ラケットへの採用等、多方面での活用が進んでいます。今後は、自動車部材をターゲットに、ゴムや汎用樹脂との複合材料や、ポリカーボネートと複合した透明樹脂の開発を進めており、石油由来樹脂の使用量削減や、ガラス代替による軽量化・燃費向上への貢献を目指しています。

医療領域への進出

木質由来の医薬品

王子グループは木材中の未利用資源であるヘミセルロースを有効に利用するため、製造・応用技術を開発してきました。そしてさらなる高付加価値化のため、ヘミセルロースを化学修飾した「硫酸化ヘミセルロース」による医薬品開発を王子ファーマ株式会社で開始しました。
王子ファーマでは硫酸化ヘミセルロースの製造から薬効薬理解析まで一貫した研究開発を国内外の大学や製薬企業と共に行っており、動物と人々の健やかな未来のために貢献します。

薬用植物―国内初の甘草(カンゾウ)の大規模栽培

多くの漢方薬に使用されている甘草(カンゾウ)はほとんどを外国から輸入に頼っているため、資源枯渇の危惧や輸出規制により国産化が求められています。王子グループでは、林木育種技術を応用して、国内での栽培技術の構築に取り組み、当社農場での実証試験に成功しました。現在は、事業規模を拡大するために必要な機械化技術を確立させ、大規模栽培を進めています。
2021年5月に「王子薬用植物研究所株式会社」を設立し、薬用植物の生産、販売を開始します。まずは、北海道地区で計画栽培を行い、高品質な国産甘草の安定供給を目指し、医薬品、食品・化粧品向けのビジネスを提案していきます。

配向性細胞培養基材
「ND Cell Aligner」

ナノレベルの微細構造を作製するナノドットアレイ技術を活かし、平坦部と突起部をストライプ状に配置した細胞培養基材「ND Cell Aligner」を開発しました。この基材の上で心筋細胞などを培養すると、培養容器内であるにもかかわらず、生体内と同様に細胞が配向した状態が再現されます。このような培養細胞は、生体内に近い生理活性を持つことが期待されるため、医薬品開発や再生医療などへの利用を想定した研究開発を進めています。

薬用植物―国内初の甘草(カンゾウ)の大規模栽培―

多くの漢方薬に使用されている甘草(カンゾウ)はほとんどを外国から輸入に頼っているため、資源枯渇の危惧や輸出規制により国産化が求められています。王子グループでは、林木育種技術を応用して、国内での栽培技術の構築に取り組み、当社農場での実証試験に成功しました。現在は、事業規模を拡大するために必要な機械化技術を確立させ、大規模栽培を進めています。
2021年5月に「王子薬用植物研究所株式会社」を設立し、薬用植物の生産、販売を開始しました。まずは、北海道地区で計画栽培を行い、高品質な国産甘草の安定供給を目指し、医薬品、食品・化粧品向けのビジネスを提案していきます。

配向性細胞培養基材「ND Cell Aligner」

ナノレベルの微細構造を作製するナノドットアレイ技術を活かし、平坦部と突起部をストライプ状に配置した細胞培養基材「ND Cell Aligner」を開発しました。この基材の上で心筋細胞などを培養すると、培養容器内であるにもかかわらず、生体内と同様に細胞が配向した状態が再現されます。このような培養細胞は、生体内に近い生理活性を持つことが期待されるため、医薬品開発や再生医療などへの利用を想定した研究開発を進めています。